2.3 VCO(Voltage Controled Oscillater)

 VCO(Voltage Controled Oscillater)とは電圧制御発振器のことで、 電圧に比例した周波数を出力します。
 VCOの出力周波数そのものがPLLの出力周波数なのですが、 位相比較器PDには位相信号としてフィードバックされます。
ここからが重要なのですが、 つまり、出力周波数を出力位相としてフィードバックするのですから、 VCOは周波数を位相に変換する時間積分器であると捉えられます。 実はこのことがPLLが高速な応答ができない理由(時間積分には当然ある時間が必要) なのです。

 左のアプレットのテキストフィールドにLFからの入力電圧 uf (0〜5V)の 数値を入力して、OKを押すと、出力波形が再描画されます。

 ここで、0を入力してもVCOはある周波数を発振します。この周波数を 中心周波数と いいます。つまりVCOのパラメータには傾き(ゲイン)切片(中心周波数)が あるわけです。どういうことかというと、PLLがロックしたい周波数範囲に合わせる(バランス)を 取れるように設定すればよいと言うことです。

 現実のVCOは4046も含め数本の抵抗とコンデンサで、ゲイン中心周波数を設定できます。 また実際には左図のような完全な比例関係(直線)になっていなくて若干湾曲していますが、 それでも問題無くロックできます。


 と、ここまでのPD、LF、VCOの働きで出力周波数が追従していくのです。

 それでは、次はロックが入ったり外れたりするときのPLL特有の非線形な奇妙な振る舞い を紹介していきます。
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